子宮筋腫と子宮肉腫(間違えやすい病気3)
子宮肉腫は、子宮にできる悪性腫瘍です。子宮ガンも悪性腫瘍ですが、ガンは上皮性(外胚葉)なのに対して、肉腫は非上皮性(中胚葉)という違いがあります。
肉腫の細胞は筋層にあるため、ガンのように膣壁から取る細胞検査では見つけることができません。また、腫瘍マーカーにも反応しません。
外観や症状は子宮筋腫とよく似ていて、超音波検査やCTスキャンなどの画像でもなかなか判別がつきにくいという特徴があります。
1、子宮筋腫との違い |
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子宮肉腫の診断は難しいのですが、一般的にいって肉腫は増殖の速度が速く、筋腫はゆっくりと進みます。しかし、筋腫と思って開腹してみたら肉腫で、子宮を全摘出したにもかかわらず、転移して亡くなるというケースもあります。
ただし、子宮肉腫に侵されるケースはまれです。MRIで肉腫の疑いがあっても、実際に子宮肉腫といわれるのはせいぜい1割から2割です。
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2、治療 |
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子宮筋腫の手術中に、肉腫と疑われる部分が見つかることがあります。筋腫の核出術の途中であれば、筋腫だけを取り除いて、いったん傷口を閉じてしまいます。
取り除いた組織に病理検査を行い、肉腫と判断すれば再び開腹して子宮を全摘出します。肉腫の患者の数は非常に少ないですが、放射線や抗ガン剤も効かず、手術以外に有効な手段はありません。 |
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