1、過多月経 |
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過多月経は、子宮筋腫になると最も多く現れる症状です。過多月経になると、出血量が増えるために貧血になりやすく、貧血の原因を調べているうちに筋腫が発見されるケースもあります。
過多月経になるのは、筋腫によって子宮の内くうが広くなり、内膜の面積が広くなって月経時に排出される血液量が多くなるためです。
さらに、筋腫があると子宮の収縮が妨げられ、止血力が弱くなって月経が長引き、その結果出血量が増えるとも考えられます。
ただし、出血量には個人差があり、自分では多いと思っても正常範囲(40〜50ml)の場合が多いようです。過多月経は血液検査を行い、貧血になっているかどうかで判断します。
見た目に多いと思っても、貧血がなければ過多月経ではありません。
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2、月経困難症 |
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月経困難症は、月経のときに起こる腰痛、下腹痛、発熱、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、下痢などの症状を総合したものです。日常生活に差し支えるほど強く、治療を要するものをいいます。
症状のうち、とくに問題なのが腰痛や下腹痛などの痛みです。この原因は、子宮が月経血を排出するときに痙攣のように収縮するためとか、骨盤内の血行障害のためなどといわれていますが、よくわかってはいません。
痛む時期は、月経にともなって月経の期間だけ痛む場合と、月経以外の時期にも痛む場合があります。また痛みの程度も、差し込むような痛み、引きつるような痛み、鈍痛など人によってさまざまです。
痛み止めが効かないほど激しい痛みの場合には、子宮腺筋症を疑う必要があります。
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3、圧迫症状 |
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過多月経や月経困難症の症状は、筋腫の大きさに関係なく起こりますが、大きな筋腫の場合には、圧迫によるさまざまな症状が現れます。
【膀胱を圧迫する場合】
筋腫のために大きくなった子宮が膀胱を圧迫し、膀胱の容量を小さくするために頻尿になります。筋腫が子宮の前側、膀胱に接する位置にできたときは、筋腫が小さくても同じような症状が出ることがあります。
大きくなった筋腫が尿道を圧迫して排尿痛が起きたり、また尿管を圧迫して腎盂の肥大(水腎症)を引き起こす場合もあります。
【神経を圧迫する場合】
大きくなった筋腫が神経を圧迫したり、血管を圧迫して血液の循環が悪くなると、腰痛の原因になることがあります。
【静脈を圧迫する場合】
まれにですが、大きくなった筋腫によって骨盤内の静脈が圧迫されることがあります。これによって下肢の静脈の流れが悪くなり、「血栓症」を引き起こす原因になります。
下肢に静脈血栓ができると、それが肺まで運ばれて肺の梗塞を引き起こす原因になります。そうなると呼吸困難になって、死に至ることもあるので要注意です。
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4、下腹部のしこり |
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正常な子宮はニワトリの卵くらいの大きさで、お腹の上からでは触れることはありません。ところが、筋腫が育って子宮全体が大きくなってくると、仰向けになって触ったときに固いしこりがあることがわかるようになります。
自分でしこりに触れるようになったら、筋腫は握りこぶし大から赤ちゃんの頭くらいの大きさに成長していると考えていいでしょう。特にしょう膜下筋腫は、子宮の表層にこぶのように盛り上がったり、子宮本体から離れて外側で育ってゆくので、しこりがわかりやすいといえます。
自分でしこりが確認できるようになるころには、何らかの症状も現れていることが多いので、病院で検査してもらうべきでしょう。 |