女性特有の悩み 〜 「子宮内膜症」
女性特有の病気 「子宮内膜症」。その原因については様々な
諸説ありますが、現在においてはよく分かっていません。
子宮内膜症〜子宮内膜が他の部位に移って増殖、出血
子宮内膜の組織は、妊娠が成立しないときにはその一部がはがれて対外に排出され(月経)、また再生、増殖を始めるという変化を約28日周期で繰り返します。
本来は子宮腔の内側だけに存在する子宮内膜が、それ以外の場所に移って発育するのが子宮内膜症です。もっとも多く見られる場所としては、子宮筋層、卵管、卵巣、腹膜などで、まれにぼうこうや直腸、手術痕などに生ずることもあります。
異常な内膜ができた場所は、月経時は正常な内膜と同じように出血しますが、月経血のように外に排出されないので、組織の中にたまります。これがしだいに膿ようになり、チョコレート様に変化した古い血液を含む膿胞になります。
移った場所によって症状に変化が
子宮内膜症は、どこにできたかで症状が異なってきます。以下はその代表的な例です。
1.子宮筋層にできた場合 |
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子宮の内膜組織が筋層に入り込んでいるため、子宮の収縮が妨げられて過多月経になります。子宮筋層に広がった場合を特に「子宮腺筋症」といいます。 |
2.卵管にできた場合 |
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卵管の内側にしこり状の腫瘤ができると、卵管が狭くなったり閉鎖されるため、不妊となります。卵管の外側にできた場合は、周囲の臓器とゆ着しやすくなります。 |
3.卵巣の周囲にできた場合 |
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月経時の出血がたまって、暗褐色の小さな膿胞となり、やがて敗れて周囲の臓器とゆ着しやすくなります。ゆ着が起きると、月経痛が一段と激しくなります。 |
4.卵巣内にできた場合 |
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黒褐色の「チョコレートのう腫」を形成します。のう腫は肥大するため、周囲の臓器が圧迫されて下腹痛が起こります。 |
5.子宮内膜症がダグラス窩にできた場合 |
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子宮頸部、直腸の上部、S字結腸とゆ着して塊となり、性交時に激しい腰痛が起こります。 |
原因は不明、ホルモンが関係
子宮内膜症の原因については諸説ありますが、実際のところはよく分かっていません。
月経の際に、内部組織が卵管腔を通って腹腔内に入り、いろいろな場所に移植して発育する説があります。あるいは、子宮筋層の中に直接入ったり静脈やリンパ管を通って入ることなどが考えられています。
子宮内膜症は、卵胞ホルモンの分泌が盛んな成熟期の女性に起こりやすく、閉経後には自然と治癒していきます。
薬物が効かないときは手術も
症状や程度の軽い子宮内膜症には、薬物療法が行われます。主に男性ホルモンを投与して閉経状態に近いホルモン環境を作り、内膜の異常増殖をおさえるという方法です。一般的に広く用いられています。
薬物療法が効果ないときは子宮内膜症の手術を行います。これには「保存的手術」と「根治手術」があります。根治手術では両側の卵巣を摘出します。
こうすると女性ホルモンが分泌されないので、内膜症の組織も自然に萎縮し、やがて消失します。
将来、子供をほしい人や、内膜症が不妊の原因と考えられる場合は、病変部だけを除去する保存的手術を行います。ただしこの場合は将来、症状が再発することもあります。
子宮内膜症を食生活でサポート
炎症、腫瘍などが発生しにくい体質にすることが大切です。そのためにも日頃から必要な栄養素を補給することが必要となります。
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