ホルモンのトラブル 〜 「バセドウ病」
女性に多くみられる「バセドウ病」。20歳代の若い世代に多く、約1000人に一人の割合で起こると推定されています。
バセドウ病の原因は甲状腺ホルモンの分泌異常
バセドウ病は、甲状腺から分泌されるホルモンの量が過剰になるために起こる病気です。
原因はよくわかっていませんが、体内に甲状腺を刺激する物質ができて、そのために甲状腺ホルモンが大量に分泌された結果、起こると考えられています。日本人の甲状腺機能亢進症のうち、9割以上がバセドウ病と言われています。
この病気は20歳台に最も多く、約1000人に一人の割合で起こると推定されています。男女比は1対4と、圧倒的に女性に多い病気です。
バセドウ病による眼球突出は全体の3割
バセドウ病にかかると、ほとんどの人が甲状腺がはれ、体重が減少してしまいます。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にする働きがあるので、増えすぎると体内での酸素の消費量が増え、糖質や脂質、たんぱく質の代謝が活発になり、心臓の働きもさかんになって、神経の興奮が高まります。
エネルギーの消費が過剰に増加するので、急速に体重が減るのです。
同じ理由から脈が速く動悸がする、汗が多い、手や指や体が震え、いらいらして落ち着きがなくなるのも特徴です。
女性では月経異常、男性では「周期性四肢まひ」といって、急に手足の力がなくなって動けなくなることがあります。
バセドウ病に特有な症状として「眼球突出」がありますが、これは全体の3割ほどです。
バセドウ病の決定的な治療法はない
今のところ根本的な治療法はなく、対症療法によって進行を抑えることが主眼となっています。バセドウ病の治療法としては、次の3つがあります。
1、 抗甲状腺剤を服用する。
2、 放射性ヨードを飲み、それがほとんど甲状腺に集まるのを
利用して、その放射能で甲状腺組織の大部分を破壊する
(アイソトープ治療)。
3、 外科手術で甲状腺の一部を残し、切除する。
いずれの治療も、途中でやめると再発したり、副作用があったりと、一長一短があるのが現状です。
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